介護保険は身近に介護認定を受けた人がいなければ、なじみがないため、ちょっとわかりにくいですが、基本を知れば個人でもおおまかに計算できるようになります。今回は介護サービスの利用限度額を見ながら利用できる範囲を説明していきます。
介護サービス利用限度額とは(区分支給限度基準額)

介護サービス利用限度額とは、「区分支給限度基準額」、「介護保険の基準額」などと呼ばれますが、意味は同じです。要介護度に応じて1か月利用できる範囲の事です。
介護サービスを受けながら在宅での生活を続けていく場合、介護保険で利用できる1か月あたりの上限額(支給限度額)が介護認定で降りた要介護度によって決まっています。
この金額のことをあたり介護サービス利用限度額(区分支給限度基準額)といいます。
この介護サービス利用限度額(区分支給限度基準額)内であれば、介護保険サービスを原則として1割(一定の所得がある方は、所得に応じて2割または3割)の自己負担で利用できます。そして、もし超えてしまった金額については全額自己負担となります。
介護サービス利用限度額は「単位」で表される
介護サービス利用限度額は「単位」で表されます。下記が単位表です。(2019年10月1日~)
介護サービス利用限度額一覧表
支給限度 | 自己負担分(1割) | |
要支援1 | 5032単位 | 5032円 |
要支援2 | 10531単位 | 10531円 |
要介護1 | 16765単位 | 16765円 |
要介護2 | 19705単位 | 19705円 |
要介護3 | 27048単位 | 27048円 |
要介護4 | 30938単位 | 30938円 |
要介護5 | 36217単位 | 36217円 |
・支給限度額は、サービスの種類によって1単位当たりの単価が異なります。
上の表の介護サービス利用限度額は利用できる金額の目安として、1単位あたり10円で計算しています。

ここで1つ例を出して説明します。
例えば要介護1の認定が降りた、A県に住む「あきこさん」の場合。
要介護1なので1か月16765円(単位)利用できます。

家で一人でお風呂に入るのは転ぶかもしれないし心配。お風呂に安心して入るため「デイサービス」行ってみようかしら。
後、最近台所で長い時間たってるのが辛いから料理をするのがおっくう。「ヘルパーさん」に時々頼んでみようかしら。
「あきこさん」は、週2回「デイサービス」、週1回「訪問介護」でヘルパーさんに料理の援助を頼みました。

A県の「デイサービス」は、1回につき558単位で、「訪問介護」は1回につき181単位とします。
「デイサービス」1回につき558単位 × 8回(1か月の回数) = 4464単位
「訪問介護」1回につき181単位 × 4回(1か月の回数) = 724単位
4464 + 724 = 5188単位 となり、「あきこさん」は5188円支払うことになります。(介護保険内はこの金額ですが、デイサービスでは別途昼食代などかかるので、あくまで目安です。)
したがって、「あきこさん」は、要介護1の範囲内、自己負担1割内でサービスが受けられたことになります。
デイサービスは厳密にいうと地域・時間帯・規模・送迎の有無・入浴の有無などによって単位数が細かく分かれています。
また、訪問介護(ホームヘルプ)も、利用する時間帯や職員の資格の有無、生活援助か身体介護かによって細かく単位数が分かれているので利用者1人づつの金額も違ってくるのです。

住んでいる地域によっても違ってくるんだね、知らなかったわ。

そうなんです。サービス事業者ごとにとても細かく料金設定がされているので、大まかな計算はできますが、具体的な数字は専用の介護ソフトを使わないと難しかったりします。

ファイナンシャルアカデミーの「定年後設計スクール体験学習会」

始める方が増えている不動産投資!始める前の無料相談は【トウシェル】で!

介護保険の利用料金を払うのが難しい場合

収入の低い方など、介護保険の利用料金が所得に対して高額になってしまう方でも、無理なく介護保険サービスが利用できるように、負担軽減対策が設けられています。
負担軽減策
この負担軽減が適用される金額は、所得によって変わってきますので、まずは自分が当てはまるのかを市区町村に問い合わせてみましょう。
高額介護サービス費
「高額介護サービス費制度」は、介護利用費の自己負担額が同月に一定の金額を超えると、申請によって超過分が支給される制度です。こちらも個々に金額が変わってきますので、市区町村に問い合わせてみましょう。
高額医療・高額介護合算療養費制度
「後期高齢者医療制度」や「医療保険」などを使っている世帯に、介護保険の受給者がいる場合に適用される制度です。世帯単位で「医療保険」と「介護保険」の自己負担額の合計金額が「自己負担限度額」を超えた場合に、超えた分の金額が支給されます。
介護サービス利用限度額?利用できる範囲は?わかりやすく説明!まとめ
- 介護サービス利用限度額(区分支給限度基準額)とは、要介護度に応じた1か月あたりのサービス利用の上限のことをいいます。
- 介護保険の利用料金を払うのが難しければ、「負担軽減策」「高額介護サービス費」「高額医療・高額介護合算療養費制度」等の制度があるので自分が該当するかどうか、早めに市区町村に問い合わせてみましょう。

始める方が増えている不動産投資!始める前の無料相談は【トウシェル】で!

積水ハウスグループのシニア向け賃貸住宅
