「老後資金2000万円あれば安心」と思っている人はバカを見ます。今回は、その理由を金融庁が2019年6月3日に公表した「高齢社会における資産形成・管理」(金融審議会の市場ワーキンググループ報告書)のデータや「平均余命」「モデルプラン」からわかりやすく説明していきます。
日本人の平均余命はどのくらいなの?

「平均余命」とは、ある年齢の人があと何年生きることができるかを計算したものです。
0歳の平均余命
男性 81.25歳(推定される寿命は81歳)
女性 87.32歳(推定される寿命は87歳)
0歳の平均余命:厚生労働省「平成30年度簡易生命表」参照
(注意:0歳の平均余命は、定年を迎える前に亡くなった方も含めて計算しているため、短く計算されてしまいます。そのため、老後の予測に使うにはあまり適さないと言われています。)
65歳の平均余命
男性 19.70年(推定される寿命は85歳)
女性 24.50年(推定される寿命は90歳)
65歳の平均余命:厚生労働省「平成30年度簡易生命表」参照
「平均余命」は半数の人が亡くなる時期を示しているので、残りの半数はその年数以上生きると予想されています。例えば4分の3の人が亡くなる時期を計算すると、65歳の平均余命では男女ともこのデータよりもさらに5年先になると言われています。男性は90歳、女性は95歳まで生きる可能性もあるのです。
そもそも「老後2000万円問題」はどこから来たのか?
ではそもそも「老後2000万円問題」はどこから来たのでしょうか?
金融庁では、「人生100年時代」と考えて、「男性65歳以上・女性60歳以上の夫婦のみの無職世帯」が年金だけで生きるには毎月5.5万円が不足すると計算しました。
【高齢者夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)】モデルケース

(出典)第21回市場ワーキング・グループ 厚生労働省資料 参照
その事実から夫婦無職世帯の平均余命を20~30年とした場合の生涯の赤字額を計算してみると、
5.5(万円)×12(か月)×20(年)=1,320万円
5.5(万円)×12(か月)×30(年)=1,980万円
生涯の赤字額は1,320万円~1,980万円ということがわかります。
定年後、「一般的な退職金額」と「一般的な年金金額」を中心とした貯蓄の切り崩しで生活している前提で「老後2000万円足りない」と言う問題が生まれたんですね。
今の定年の人たちは2000万円持っているのか?
では今現在、定年退職後の人たちが2000万円くらいの貯蓄を持っているのか?と言うと、半々くらいだと言われています。中でも特に問題なのは、2020年に定年を迎える60歳の25%、つまり4人に1人は貯蓄額が100万円以下だという驚愕の事実があることです。
「プレデンシャルジブラルタファイナンシャル生命保険(PGF生命)参照」
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将来の老後資金は2000万円では足りない計算に
では逆にその「定年後を迎える半数の人たち(2000万円ぐらい持っている人たち)」はアルバイトするなりなんなりして毎月5万円ずつ収入を増やせば将来は心配ない。と思うかもしれませんが、「現状」では5.5万円でも「将来」は5.5万円ではない可能性もあります。
将来、今よりも老後資金が不足する原因4つ
- 寿命が延びてきている
- 退職金が減ってきている
- 年金支給額も減ってきてる
- 年金支給年齢も上がってきている
上記のように、寿命が延びることによって、支給される金額も減らされることが予測されます。
今までの一般的なライフステージに応じて発生する費用等の例
今までの一般的な日本人の一生涯のライフステージです。人が生きていくには、おおまかですがこのような出費があります。

上記のような「一般的なライフステージの出費」であればまだ予測が立てやすいのですが、金融庁は、これまでの標準的なライフプランが今後はほとんど当てはまらないかもしれないと推測しています。
自分自身が将来かかってくる支出を計算したうえで、自分の希望する生活が難しいのであれば、何らかの手を打つ必要があります。
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じゃあ老後資金はどうやって作っていくの?

では具体的にどのような備えをすればよいのかと言うと、報告書には3つの事が記載されています。中でも特に重要な2つを紹介します。
自分の希望する自分に合ったライフプランを立てること
以前は「大学卒業・新卒採用・結婚・出産・住宅購入・定年まで1つの会社に勤めあげれば、定年後は退職金と年金で収入を維持し、ゆうゆう自適な老後を送る」というライフプランでしたが、これからはそうも言ってられません。今後は、自分がどのようなライフプランを想定するのか?また、そのライフプランで必要な収入や資産はどの程度になるかを「見える化」した上で対策をとる必要があります。
資産寿命を延ばすこと
自分の希望するライフプランにおいて、公的年金以外で作らなければいけない金額がどの程度になるかを考え、次の3つのライフステージに応じた資産形成・管理を行っていきましょう。
現役期
早い時期からの資産形成を念頭に置き、生活資金やいざという時に備えて元本の保証されている預貯金などにより確保しつつ、将来に向けて少額からでも長期・つみたて・分散投資による資産形成を行う。
退職期前後
退職金がある場合、早めの情報取集と使い道の検討を行い、退職金を念頭に置いたライフプラン・マネープランを再検討する。そして長い人生をみすえた資産運用の継続(長期・つみたて・分散投資)とその後の計画的な使い方を実行する。
高齢期
体のおとろえを考えてマネープランを見直し(医療費・老人ホーム入居費など)「物忘れ」などの判断能力の低下に備え、銀行口座などを少なくまとめておく。また、自分の資産やおおまかな使い道などをわかるようにしておきます。そうしておくことで、自分が行動できなくなったとしても、家族など他者がサポートする場合にスムーズに行うことができます。
老後資金2000万円でバカを見るな!一人暮らしでももっと必要:まとめ
・老後資金は2000万円では足りず、どこかで収入を増やすことが必要である。
・また、老後への備えとして、
- ライフプラン・マネープランの見直し
- 就労継続
- 支出削減(節約)
- 資産運用
を実行し、老後に備えていくことが必要である。

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