「老人がむせたり、飲み込みが悪くなり始めたら食事中の姿勢を変えてキザミ食やミキサー食に」これは一般的にいわれている介護のパターンです。誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)を予防するためお世話する側も一生懸命なのはわかりますが、果たしてそれが本人にとってベストな介護なのでしょうか?今回は、誤嚥性肺炎を予防する食事方法について紹介します。あなたは介護でこんな間違いをしていませんか?参考にしてください。
上向きの姿勢は誤嚥(ごえん)防止に役立つのか?

食事のとき食べ物があやまって肺に入らないようにと上向きの姿勢で食事させなければと思っていませんか?誤嚥(ごえん)防止のために上向きの姿勢で食事をしなければならないのは「球マヒ」「仮性球マヒ」などで飲み込む力を失ってしまった特別な場合です。
脊髄(せきずい)の上部に位置する延髄(えんずい)とよばれる部分が障害を受けることにより引き起こされるマヒのことで、舌やのどの筋肉が弱まり、言葉を発しにくくなる、食物を飲み込みにくくなるなどの症状が表れます。
Day For Tomorrow ALS筋萎縮性側索硬化症の疾患・治療に関する情報プログラム:引用
高齢者はもちろんのことですが、一般的な脳卒中やパーキンソン病の人たちが上向きの姿勢で食事をすると、ムセて誤嚥の原因になる場合があります。上向きの姿勢は飲食物、とくに飲み物が重力の影響で下に流れてしまうことが原因です。正しく飲み込むための嚥下反射が起きる前に、液体が誤って気管や肺に入ってしまうのです。
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誤嚥(ごえん)を予防するには
正しい飲み込みで誤嚥を防ぐためには以下の3つがポイントになります。
- 食べ物が適度な大きさである
- 食べ物に適度な湿り気がある
- 嚥下反射の準備が整っている
むせる原因は上記のことに注意せず上向きの姿勢で食事をするため、重力で食べ物が滑り落ち勝手に喉に流れ込んでしまうのです。
食事の姿勢を想像してみると、和式でも洋式でも前かがみの姿勢で食べているはずです。この状態は上向きの姿勢と違い、飲みこむタイミングが整うまでは口の中に食べ物を保持できるので誤嚥しずらくなるといえます。また、この姿勢で無意識に食べ物をのどに送り込めば嚥下反射機能が働き、食べ物は自然に食道に導かれます。
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むせが始まったらきざみ食?

食事中、むせたりなかなか飲み込めなかったり、食べるのに時間がかかってきた場合、きざみ食やミキサー食に変更することが一般的です。これは介護施設でもパターン化されているところがほとんどではないでしょうか。しかし実際に自分で食べてみればわかりますが、そもそも食材の原型がわからないのでは食欲がわかず、かえってむせて食べにくいものもあるということがわかります。
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飲み込みの一連の動作のポイント
食事には食品をまず噛んでまとめ、その後飲み込むという一連の動作があります。その時に気を付けるべきポイントをまとめました。
①噛んでつぶす動作
食べ物を口から入れて噛んでつぶす動作の場合、一般的にはやわらかく、押しつぶされた食べ物がよいとされています。またキザミ食にすることでむせにくく、誤嚥もしにくいといわれています。しかし実際のところキザミ過ぎは逆効果になる可能性があります。また固いものはきざんでしまうよりも柔らかくするのが優先です。
②食物をまとめる動作
食事をまとめる動作としては、一般的に一口大にしたりトロミのある柔らかい食べ物がすすめられていますが、マヒや入れ歯でまとめることが難しい人には逆効果だったりします。
③飲み込む動作
こちらも一般的には固形物や水分にトロミをつけることがよいとされていますが、飲み込みそのものに問題のある人はキザミ食・ミキサー食両方が逆効果になる場合もあります。
【誤嚥性肺炎予防】あなたは介護でこんな間違いをしていませんか?:まとめ
「食べること」は人間が生きていくため必要な栄養をとる手段です。しかし単なる栄養摂取だけでは生きていこうという気持ちにはなりません。自分の目で見て、かつ自分の口で美味しさを感じることが大切です。
また、味覚は歳をとればとるほど幼いころに戻るといわれています。長い間慣れ親しんだ味は無意識に心を落ち着かせてくれます。そのためその地域や一人ひとりの食習慣を大切にするのもポイントです。

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